母になろうとしないし母にはなれない

パートナーと一緒に暮らし始めた頃

パートナーの子はまだ3歳でした。

離婚し離れた親の記憶もしっかりあり

「お別れしたから一緒に暮らせない」と

彼なりに理解していました。

 

当初は結婚も視野に入れていた為、

私は彼の母親になろうと必死でした。

パートナーもまた「ママ」と呼ばせようと

試行錯誤していました。

 

でもね。そう思えば思うほど、

実の親には敵わない事を感じる日々。

息子の心の穴や切なさに寄り添うだけで

それだけで精一杯で、

母親になろうなんておこがましい。

数ヶ月という時を経てそう思ったのです。

 

それに…これを言ったら元も子もないのですが

私は本当に子供が苦手です。

子どもと一緒に遊べないし、

声や動きにイライラすることも多く

それを私は分かっているから

絶対に自分は出産しないと決めていたのに

どうしても一緒にいたい人ができてしまい

どうしても子どもとパートナーを引き離せなく

どうしても受け入れるしかなかったのです。

 

こんな言い方をすると

私はパートナーの子が嫌いとか愛情がないように感じてしまうかもしれませんが、

それは違います。

子どもと接することは苦手ではありますが、

愛情は深く感じています。

 

そこでパートナーと話し合いました。

結婚制度に納得もいかず

どうせ私達は普通の再婚はしないのだから

無理に息子の母親になるのはやめよう。

息子にとっても気の毒だし。

私は「ぴかちゃん」の存在でいい。

親戚のような感じでもなんでもいいけど、

ぴかちゃん以下でもぴかちゃん以上でもない

彼の中で「ぴかちゃん」がいる。それでいい。

 

そんなわけで、そう決めてから

私もパートナーも随分気持ちが楽になりました。

一緒に暮らす息子の親はパートナーだけ。

私は同居するぴかちゃん。

親が不在の時はぴかちゃんに頼ればいい。

今はそんな感じでしょうか。

 

そして私も親と思わず親になろうとも思わずにすんでいるおかげで、

子どもの声が我慢できない時は

遠慮なく実家に帰り1人で過ごします。

 

パートナーも私に親としての責任を期待せず

子どもは自分が欲しくて作った子という認識

また借金でお先真っ暗の自分達に

救いの手を差し伸べてくれたと思ってるらしく

どうしても助けて欲しい時は私を頼るけど

基本的に子どものことは全て自分でやる

そういうスタンスです

 

変わった関係性かもしれませんが

私たちにとってはこれがベスト

今は息子の世話らしい世話はしてませんが

もう少し彼が大きくなったら

実の親には話せないような相談事も

いつかコソコソ話せる仲になりたいと思います

ぴかちゃんは親戚のおばちゃんでもあり

同居する年上の友達

彼にとって私はそんな存在でいいのです

 

そこをパートナーもしっかり理解してくれて

よくある再婚相手に母親を求める事なく

自分の子だから自分の責任と

一切子育てに根をあげず頑張ってくれていて

本当にありがたく助かっています

 

子どもと離れたい時は友達と遊んだり

実家に泊まりに行ったりしていいからね

 

いつもそう気遣ってくれる。

自閉症の私をこんなふうに理解できるのは

このパートナーだからなのだと思います。

 

それではまた。