パートナーの借金問題【続編】
昨日、パートナーの借金発覚したときのことを書きました。
実際に2人の間に起こったこの物語を、
たった2000文字弱で表現することは実はすごく難しく、
今日はもう少し、事柄よりも、心境などについて書きたいと思います。
まず、私は借金が本当にすごくすごく嫌いです。
それには自分の家族や先祖を遡る物語があり、そこは割愛しますが、
借金、特に消費者金融の恐ろしさを、
恐らく人の何倍も肌感覚で感じて生きている人間の一人です。
パートナーの中で、カードの分割やリボ払いは、
当初「借金」という感覚がなく、私にも言いやすかったのだと思います。
でもさすがに消費者金融は最後までどうしても言い出せなかった。
打ち明けるくらいなら別れると、パートナーが思ったのは、
それは私が消費者金融の恐ろしさを度々話していたからでもあります。
そして私が消費者金融を心の底から嫌っていたからだと思います。
正直、腹をくくった後に消費者金融のカードを出され、
私は身体が震えました。嗚咽しました。パニックになりました。
(まだ金額は聞かされていませんでした)
そんな私を見てパートナーは恐らく、
「やっぱりこれは隠し通して別れるべきだった」と、
一瞬後悔したくらいだと思います。
私の苦しむ姿を見て、本当にパートナーも苦しかったと思います。
私は借金額を聞くことが怖くて怖くて、
本当に正直言うと、金額を聞く前に、別れも考えました。
消費者金融に借金がある人と私は一緒に生きる勇気なんてない。
本当に恐怖でそう思ったのも事実でした。
これはカードを見せられた後の数秒に起こった心の葛藤です。
でもです。
次の瞬間、それは本当に数秒の自分の判断だったんです。
「この借金には必ず何か理由がある。
この人の根本的な問題を一緒に解決しないと、
この人は一生借金地獄で終わり、きっと死を選ぶ。」
そう思ったんです。
そして金利の恐ろしさを知っているからこそ、即日で返済したかった。
「いくら借金あるの?」
私の声は震えていたと思います。
「60万くらい」
この答えに、正直どれだけ安堵したかわかりません。
この金額なら今すぐ銀行に行けば今日中に返済できる。
「理由はあとでしっかり説明してもらう。
とにかくこのままだと、あなたの人生がボロボロになる。
まず、今すぐ銀行に行って、返済しに行きます。」
そう言い、2時間後には全額返済し終えました。
我ながら男前だなって思うくらい、理由も聞かず即行動でした。
借金は全てこれで消えました。
でも、疑いの心、信頼関係の崩壊、いろいろありました。
そこから笑い話になるまでには恐らく1~2ヶ月はかかったと記憶しています。
まず私は本当にこれで全ての借金がなくなったか不安でたまらず、
「あといくら借金残ってる?どこに隠してる?」
そう何度も何度も聞いてしまいました。
「もう本当に何もない。ごめんなさい、ごめんなさい。」
そう泣くだけのパートナーを前に、
震える身体を必死に抑えながら、
信じよう、信じようと呪文のように頭の中で唱えていました。
最初の数日はその繰り返しでした。
元配偶者が出した離婚の条件は、
「慰謝料として消費者金融で限度額限界まで借金しそれを渡すこと」
だったそうです。
本当に憎むべき相手は、元配偶者です。
こんな悪魔のような心を持つ人が存在することに恐怖を感じます。
でもその理由を知って、私は安堵の涙が出たのを覚えています。
借金癖やギャンブルや買い物依存症など、
パートナー自身の精神的な問題での借金ではなかったからです。
そして、そこまでしても別れたかった相手だったということも、
本当に理解できたし、よく耐えてきたと気の毒に思ったくらいです。
「よく頑張ったね。誰にも言えず苦しかったね、本当に辛かったね...」
私は思わずパートナーに抱きつき大泣きしたくらいでした。
パートナーは独身時代500万相当の貯金があったそうです。
元々そんな派手な生活を好まず、控えめな性格で、
一人暮らしでもコツコツお金を貯めることができる性格。
それが結婚数年で貯金はなくなり、借金までできた。
挙げ句の果てに消費者金融で借金をさせることが離婚条件。
でも、その結婚生活は続けていたら、骨の髄まで吸い取られ、
恐らく私のパートナーは人生を楽しいと思うこともなかった気がします。
家族や友達になんで相談しなかったの!
そんな元配偶者なら訴えれるでしょ!
いろいろ思いました。
でも、もうパートナーの心をかき乱すのも嫌だった。
元配偶者と何かの形でまた連絡を取るのも嫌だった。
たった200万で解決できるなら安い。もう過去なんてどうでもいい。
この人がまた生きる勇気を持って笑って生活できる。
それ以上、私は何もいらない。
そう思い、私はパートナーを信じる覚悟を決めたのでした。
「全ての通帳やカード、実印、郵便物や全ての物を、
全部渡すし、見せるから、信じて欲しい。
信頼を取り戻せるまでに時間はかかるかもしれないけれど、
自分はお小遣いもいらない。何もいらない。
ただこうして、借金から解放されて、今やっと人間として
これからまともに生きて行けるという安堵感を与えてもらい、
ぴかには感謝しかない。自分と息子を助けてくれてありがとう
本当に何度死のうかと考えたかわからない。
ぴかには自分と息子の命を救ってもらえたと思ってる。」
今では本当に晩酌時の笑い話ですが、
発覚から2ヶ月前後、私たちは本当にいろいろ苦しみました。
お金に対する考え方、価値観をすり合わせることに時間も使い、
私が好きな「足るを知る」精神の話もたくさんしました。
各種税金、社会保障、年金制度、いろんなことを教えました。
パートナーは嫌な顔ひとつせず、必死に学ぶ姿勢を見せてくれましたし、
実際にiDeCoやつみたてNISAを始めるまでにもなりました。
ここには書き切れない、苦しみや葛藤があり今がありますが、
本当に救いだったのは、
パートナーの心は素直で純粋で、優しい人だったということ。
これに尽きます。
2年たった今、パートナーのことは心から信頼できます。
人間として、尊敬できる部分も沢山あります。
あの人だから、私の発達障害を気付いてくれたし、
あの人だから、私が子育てから逃げても笑って許してくれるし、
あの人だから、こんな偏屈な私でも受け入れてくれる。
お互い様ってやつですね。
今日は少し長文になってしまいました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それではまた。