新車を見に行ったらいきなりローンの話から始まる

私、昔からですが、車やバイクが好きなんです。

ただ好きでも実際に所有欲が強いわけではなく、今は軽自動車一台ですが、

大きな車も難なく運転できますし、新型が出ればつい見に行きたくなりますし、

バイクもすれ違うとつい車種等を見てしまいます。

国産車、外車問わず、好きな物は好きなのです。

 

昨日、新型カローラクロスが気になって実車を見に行ってきました。

ヤリスクロスとの比較もしながら、スペックなどを見比べたり、

細かくデザインや性能を見ながら観察してたんですね。

 

「先ほどからすごくよく見ていただいていますが...」

と、しばらくすると店員が話しかけてきました。

私が聞きたかったのは例えば、カタログデータではわからない実燃費や、

標準装備でついているスマホ連動ディスプレイのこと、

グレードの違いによるタイヤサイズやアルミの違いだったのですが、

まだこちらが何かを質問する前に、言われてしまったのが、

「このグレードですと、毎月○万円程度で残存価格が○○円となりまして...」

と、ローン前提で購入する話だったのです。

その後、機能面や性能面で質問していろいろ教えてもらったのですが、

一括購入しないことを前提のセールストークに何か違和感と驚きを感じました。

 

ローンで買ってもらった方が金利等で総合的に利益ができるからなのか、

実際のところ、ローンで購入するお客の方が多く、

毎月こんなに安い料金で乗ることができますよっていうトークが大事なのか、

実際のところはわからないのですが。

 

実家がトヨタ車を乗っていて、メンテナンスや

スタッドレスタイヤ交換等はお願いされているので、

半年に1度程度はトヨタの販売店舗に行く機会があります。

(今回カローラクロスを見に行った店は違う店舗でした)

その営業(女性)の方は、それなりに長い付き合いと、

プライベートの話もある程度お互いしてる間柄ですので、

時々会うとコーヒー出してもらってお話をするのですが、

「特にアルファードはほとんどの方がローンで購入されてますよ」

と聞いたのがすごく印象的でした。

ノアとアルファード、ローンにすると毎月数千円しか違いがないらしく、

それならばせっかくだからアルファードにしようというお客が多いようです。

「そんな私もアルファードをローンで購入したのですが。笑」

とも話されていました。

 

社用車として使用する場合、減価償却のことを考えて○年で乗り換え、

個人で乗るなら、新車一括購入で最低10年~15年以上乗って乗り潰す。

ちゃんとメンテナンスをし、大事乗ることが大切だし、運転者の責任だ。

これが私が小さな頃から学んできた我が家のルールというか、常識でした。

なので空気圧もGSで定期的に自分でチェックしますし、洗車も丁寧にします。

 

現金一括購入できない車はそもそも乗る器じゃないと、

口うるさく教えられてきた身分としましては、

ローン前提で車の営業をされたことに、本当に違和感を感じてしまい、

世の中すっかり「借金」が当たり前になってしまったというか、

車会社もうまく残存価格設定などのシステムを考え、

毎月安く乗れるというセールスを出してきたものだとまた感心したのです。

あ、これちょっとイヤミの「感心」ですからね。

こうやってお金を使わせるんだな。自分でも買えると錯覚させるんだな。

身の丈に合わない生活をしても、周りもみんな同じだからと麻痺し、

あ~だから最近若い人がアルファード乗ってる率も高くなってきてるのか。

そう納得したのでした。

 

資本主義社会も末期に近づいているということでしょうか?

物があふれ、みんなもう必要な物はほとんど持っている。

次々に新しい商品を出して、いかに誘惑させ、魅力かと感じさせ、

なんとかお金を使ってもらう。これが会社の生き残り方法。

そんな世の中の流れを肌で感じる出来事の1つでもありました。

 

龍安寺の蹲いには私の好きな「吾唯知足」が彫刻されています。

これは禅の言葉でもあり、老子の「知足」でもありますが、

私たちは今ある物で既に充分みたされていますし、

自分の身分に合った生活をすることは基本中の基本だとも思います。

それを許さないのが、やはり利益至上主義の社会なのでしょうね。

 

まだ足りない。

もっと良い物を、もっと多く、もっと便利に。

 

残念ながら私はその錯覚に陥らないタイプです。

必要な物にはお金はとことん使います。

価値を感じる物には金額はあまり気になりません。

でも、たった1円でも、不必要な物には無駄に使いたくありません。

これが私の身体の隅々まで染みついたお金との付き合い方です。

 

それではまた。