やっておいてよかったこと【留学編】
大学時代に交換留学、休学して姉妹校へ留学、
20代でワーキングホリデー、
お金持ちの子なら中学や高校から寮生活での留学。
一般的に留学と言えば20代までにやっておくこと。
なぜならほとんどの人の目的は将来の「仕事」の為だから。
語学や人脈など、就職や事業に役立つから。
それが多くの人が留学する目的だと思うのです。
もちろん違う理由で留学する人もいることでしょう。
私もある意味違う理由で留学した一人で、留学のキッカケは過去にも書きました。
確かに最初の目的は「語学習得」ではありましたが、
29歳~35歳まで6年以上を某アジア国で生活した経験は、
今までの人生の中でも最も面白かった体験の1つとなっています。
元々は大学に進学するつもりはなかったのですが、
ある大学にとても興味深い学部を見つけました。
私が学びたい中国文化を学びながら、一番魅力を感じたのは、
生徒が全て外国人で構成されているというところでした。
しかも1学年50人程度の半数が30歳以上。
ようは簡単に言うと、みんな「変な人」の集まりだったのです。
同級生全てにとって「中国語」は外国語であり、
その外国語を使って私たちは学び、コミュニケーションを取る必要がありました。
私がよく一緒に勉強したり話した人を簡単に紹介すると、
・43歳の韓国人女性。一般企業でずっと働き続ける未来に絶望し、
韓国の「学歴主義」社会に嫌気がさし、何か別の道を探そうとしていた。
・27歳のベトナム人。シングルマザーで非常に貧しい家庭で育ち、
ベトナムより給与の良い某国で就職する為、バイトをしながら必死で
家族を養うために生きていた純粋で真面目な女の子。
・38歳タイ人女性。アメリカ人彼氏が某国に教師として採用され、
一緒に某国に来国。時間を持て余していたので大学に入学。
しかし半端なく頭が良く、3カ国語を操るスーパーウーマン。
・40歳フランス人男性。20年間フランスの企業で真面目に働いてきたが、
ある書籍をキッカケに中国圏文化に興味を持ち、退職して留学。
今後は研究も視野に大学院まで進むつもりで、就職予定がなく、
そのため質素に生活し、ecoでビーガンベジタリアンのちょっと面白い人。
・32歳カナダ人男性。英語教師として来国をキッカケに中国茶にハマる。
将来は無農薬で中国茶を育てる夢を持ち、玄米と無農薬野菜が主食で、
ヨガが趣味で、謙虚だけど自分の意見をハッキリ持った優しい人。
・35歳スイス人男性。スイスの田舎からやってきて、趣味は自転車。
自転車で世界中を旅しながら、お金がなくなれば少し働く生活。
世界の人が肉食をすると、どれだけ二酸化炭素が排出されるかなど、
とにかく環境問題に詳しく語り出したらとまらないベジタリアン。
本当にごく一部の紹介で長文になってしまったので、これくらいにしますが、
とにかく同級生の全てがそれぞれ面白い背景があり、変な人の集まりでした。
中国語を取得することが最初の目的であった留学でしたが、
最終的には、この異文化コミュニケーションが人生で大きく役立ち、
めっちゃくちゃ面白い経験になったわけなのですが、
簡単に一言で表すとするならば、
日本にいたら知らないこと、思いつかないことを知る毎日なのです。
当時、外国人の恋人がいて毎日が文化の違いの衝突だった影響もありますが、
日本人の生活が25mプール程度の大きさの常識内で80%の人が生活している。
と例えるならば、
某国での毎日の生活は地球の海くらいの規模の驚きと意外性。
誰も人の外見、服装、持ち物、私生活に対して興味もありません。
みんなが自分の人生を楽しく生きることに必死だし、
「なぜぴかはそう考えるんだ!」と何時間も語り合うことも日常茶飯事。
トマトが野菜か果物かで30分クラスメイトでディスカッションするくらいです。笑
どーでもいいことでも、みんなで熱く語り合う。それが当たり前でした。
そして日本人であることが恥ずかしいと思うことも沢山経験しました。
男尊女卑、夫婦同姓制度、同性婚ができない、専業主婦が当たり前の社会、
会社員はみんな似たような色のスーツ、個性がない、いろいろ言われました。
逆に京都や奈良などの文化が残る場所、日本人の真面目で規律正しいところ、
褒められることも沢山ありました。
実際生活面でも、ネズミやゴキブリが時々足下を通る
路地裏の屋台で食事をすることも平気になったり、
どんな汚いトイレでも用を足すことができるようにもなりましたよ。
同級生の影響、あの環境下での生活で、
私もほぼベジタリアン生活、人目が気にならないようにもなり、
語学も習得でき、様々な国の文化を学んだことにより視野が広がり、
本当に日本人は常識から外れる、みんなと違うことをすることが苦手な
国民性だということも、帰国し更に認識することとなりました。
テレビばかり見てるからテレビが真実だと思い込んでしまう人も多く、
同調圧力に弱く、自分で調べて自分で考えることをあまりしない。
いや、例えしてても、行動に移す勇気がない。
そんな人が多い国だと言うことを、認識できたのは留学のおかげです。
私は日本が大好きです。
日本人の精神性は素晴らしいと思うし、この四季がある国、
美しい日本、清潔で規律が守られ安心安全な日本。
多くの世界からしたら、確かにまだ現状それが事実で、
私もそんな日本がやはり好きで帰国しました。
今後、どこかの国に移住する予定もなく、可能であれば日本で生活したい。
今のところは、そう思える素晴らしい国だと思えます。
そう思えるのもまた、留学しいろいろ体験したおかげです。
今思えば語学取得なんて留学で得た1%程度のこと。
残りの99%は人生に彩りを与えてくれたことの体験、経験です。
それくらい楽しく、また苦しく、面白いことでした。
「生きる」にはいろんな選択肢があります。
学校卒業して、就職して、結婚して、家買って、
そんな普通な生活が幸せであることも、私は全く否定しません。
ただ、もっと面白い人生、
というよりも、自分の望む楽しく好きな人生を送る選択肢は山のようにあります。
それを私は留学生活で教えてもらい、実践する行動力もつきました。
ですから、私はきっとこれからも、
25mプールの枠内で泳ぎ続けることはないと思います。
確かに見える知ってる範囲での生活は安心だし、未来も予測できます。
でもその25mプール内に自分の好きなこと望むことがなかったらどうしますか?
せっかくなんだから、
知らない海に出て、自分らしくドキドキしながら人生を楽しみたいと思います。
大切な人を大切にし、いっぱい愛し、
好きなことを追いかけ、毎日が楽しくてしかたがない。
それが私の望む人生。
それにはやはり、ちょっと勇気を出して大海に出る必要もある。
そう思います。
それではまた。